推薦します

書籍 ①書名 ②著者 ③版元 ④発行日 ⑤ジャンル ⑥内容 ⑦推薦者

① 『菅野みずえさんのお話 福祉の仕事で35年働き 東電の原発事故で人生が変わってしまった』
② アイリーン・美緒子・スミス
③ アジェンダ・プロジェクト/星雲社
④ 2021年3月22日
⑤ ノンフィクション
⑥ アイリーン・美緒子・スミスさんがインタビューアーとして、浪江町の被災者の菅野みずえさんの身に起こった実体験を綴った記録である。
 菅野みずえさんは、夫の実家がある福島県浪江町の津島で、夫と息子と三人で暮らしていた。3・11東日本大震災が起こったときには、みずえさんは原発立地自治体の大熊町の福祉職員として働いていた。
 大地震と大津波に襲われ、福祉施設は大きなダメージを受ける。その恐怖の体験談が生々しい。津島の自宅にほうほうの体で逃げ帰った翌12日16時、家の前に停まった車の窓から、ナウシカに出てくるようなガスマスクを着けた防護服の男たちが「頼む、逃げてくれ」と必死に避難しろと怒鳴っていた。
 放射能雲が津島を襲っていた。みずえさんは何が起こったか分からなかったが、顔の皮膚がぱりぱりに乾き、笑うと皺が切れて出血する騒ぎになっていた。みずえさんも一緒にいた家族も、これは異常な事態だと避難を決意するのだが…。
 読んでいると背筋が寒くなる実話である。
 インタビューアーのアイリーン・美緒子・スミスは、カメラマンのW・ユージン・スミスの元夫人で、共著の写真集『MINAMATA』を出している。遠藤周作との共著『隠れ切支丹』も出版している。80年代初期から脱原発運動をしている。
⑦森 詠

① 『ごめんなさい、ずっと嘘をついてきました。福島第一原発ほか原発一同』
② 加藤就一
③ 書肆侃侃房 本体価格1600円 http://www.kankanbou.com/books/jinbun/society/0451
④ 2021年
⑤ フィクション
⑥ 驚きである。長年、原発から放射能が捨てられていたとは? うすうす疑ってはいたが、それを電力会社が認めているとは知らなかった。ほか、原発が事故ると被害額が日本の国家予算を超えるという試算が、建設前からあったこととは。…ほか、十五にわたる「ごめんなさい」が語られる。ぜひ、原発賛成論者も、これを読んでほしいと思う。
⑦ 森 詠